本妙寺桜灯籠とは
当時のチラシを見ると「桜 灯 籠」が始まった頃の雰囲気がよく表れています。何もかも手作りのところから始まっています。そのころからすると現在格段に盛大になっています。これも関係者、皆様のご尽力のおかげです。
大仰な企画書にはない手探りのスタートが夜桜を照らすやわらかい和紙の灯籠と相まって人びとを感動させるまつりになったのだと思います。
その時のチラシと、熊本日日新聞社の掲載記事を紹介させていただきます。
2002年(平成14年)はなとうろう ポスターチラシ案内より
今月3月30日(土)午後7時より11時まで、本妙寺の石灯籠の階段と参道の一部を利用して、『本妙寺 桜 灯 籠』というまつりを行うことになりました。 480基の石灯籠に火をつけまして,石灯籠自体をライトアップいたします。また、和紙で作りました灯籠を2000個、参道の仁王像のある場所から階段の上まで並べ、仁王像奥の参道の桜の木につるします。 また、7時半から9時まで琵琶や尺八や琴などの演奏も行う予定にしています。この新しいまつりの提案は、もとは、崇城大学工学部建築学科の学生によるまちづくり」への提案から端を発したものです。この提案に対して、「花園校区まちづくり研究会」や地元のまちづくりに関心のある人々が興味を持ちまして、これからの「まちづくり」のきっかけとして、今年は崇城大学が中心的実行部隊となって、有志の人々とともに、試行的に行ってみようということになりました。和紙と石の灯りの中で、散りゆく桜を背景に琵琶の音が聞こえてくる、そんなお花見に来てみませんか。
-
チラシに使われている写真は前年に御廟所近くの廣島屋さん周辺で崇城大学の学生さんが試験的に行った時の様子です。
参道に灯ろうの明かり
熊本日日新聞 平成14年4月1日(月曜日)新聞記事より
熊本市本妙寺 崇城大と地元がまつり
まつりをまちづくりに生かそうと、熊本市花園の本妙寺参道に2300個の灯ろうを並べ住民たちの集いの場をつくる「本妙寺・桜 灯 籠=(はなとうろう)」(仮称)が、30日夜あった。「崇城大学上熊本まちづくり委員会」と、地元住民でつくる「花園校区まちづくり研究会」が協力し初めて開いた。 同委員会は大学内の「まちづくり」に取り組む研究会などが連携を目指して発足。今回は工学部建築科の学生11人が中心になり、歴史的、観光的に重要で、住民らに親しまれている「本妙寺」を活用しようと企画。2月下旬、住民たちに桜の時期に合わせてまつりの開催を提案した。 学生たちは、仁王門から清正公御廟所までの参道(約270メートル)のライトアップを発案。住民たちと一緒に、既設の石灯ろう480基に加え参道脇に手づくりの和紙灯ろう1800個を並べ、明かりをともした。費用の約20万円は研究費でまかなった。夜は、参道に延々と続く灯ろうの明かりに満開の桜が映し出され、訪れた住民たちは幻想的なムードの中、花見や琵琶などの演奏会を楽しんだ。 建築科3年の佐藤直樹さん(21)は自分の出したアイデアが実現して感激した。基本はお金をかけないまちづくり」と手応えを感じた様子。 一方、研究会の佐々野松也事務局長(57)は「今回は学生が主体にやってくれたが、まつりが定着するには地域が主体にならなければならない。今後、住民たちにも働き掛けたい」と話す。 まつりの指導にあたった同大学の内丸恵一講師は「上熊本地区のまちづくりのきっかけにしたいと思い、試行的にやってみた。住民の人の反応も良く、来年からは規模を拡大してやりたい」と話している。